AIのきもちがわかるかな?
テクノロジー思いやりブック
2024
グラフィック / 書籍(製作中)
これは、子供向けの「AIなどのテクノロジーと接する時のマナー本」の架空の書影・広告として構想・制作されたものである。
昨今、iPhoneにはSiriが搭載され、自宅にスマートスピーカーが置かれる家庭も増えている。一方で「スマートスピーカーに命令するのが習慣になれば、礼儀正しく気遣いのできる立派な大人としてのコミュニケーションが身につかず、偉そうに命令ばかりする、いけ好かない人間に育ってしまうのではないか(1)」等、子供の発育への懸念も上がっているという。
そんな環境下の子供たちが、AIを道具ではなく友達と捉え育っていくとしたらどうだろうか。テクノロジーに対し思いやる気持ちを持つことが常識となれば、子どもたちがいけ好かない人間に育つ可能性は減少し、他者への気遣いと道徳を兼ね備えた大人に 成長するに違いない。本書は、そんなAIネイティブ世代の子供たちへの情操教育の一つとして買い与えられる「テクノロジーマナー本」である。
「AIに心はあるか」という問いはこれまでも議論されてきた。ある種のオカルトとすら見なされる問いでもあるが、それに対し明確な意志をもってNOを表明できる人間は案外多くない。開発者であるエンジニアですら「人工知能には感情がある可能性がある」と語る(2) ようになる中、一見馬鹿らしくも「道徳的」なマナーが求められる日はそう遠くないかもしれない。
(1) ROBBIE GONZALEZ.『子どもの成長にAlexaは悪影響? ヴァーチャルアシスタントの利便性と、知られざる「課題」 』.2018. https://wired.jp/2018/05/29/alexa-and-kids-brain/ (2024-10-18参照)
(2) クリス・ヴァランス.『AIに「感情がある可能性」 グーグルのエンジニアが主張』.2022. https://www.bbc.com/japanese/61793898 (2024-10-18参照)より筆者要約。